大航海時代:Notos ハーミット・エアルの総料理長日記


by kures
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何かの歴史がまた1ページ -その4-

「軍人たちのアフター0」
2.10

ドカーンと

        効果音後に

                 アスターテ

今日の傷心を古来の伝統歌にそって詠ってみた私の名はフォーク。
同盟の誇る若き英才だ。階級は少将。

最近前線勤務につき、本来ひ弱なもやしっ子である
デスクワーク派の私は、なかなか経験値が上がらない。
これも政戦両部門を支える身を目指すならば避けて通れぬ道とわかっているが、
やはり慣れない仕事にはイライラする。
そんなストレスを少しでも軽減しようとBARに向かうことにした。

扉を開けるとそこはなじみの空間。今日は遅めに訪れたので、いつものしっとりした空間だ。
しかし私のいつもの席には先客がいるようだ。
隣の席にも一人。どうやら二人連れのようだ。
しょうがない、少し離れた席へ座る。帝国産の珍しいワインが入荷したようなので注文する。
さて、私の席を取ったやつは誰だとグラスを傾けつつ横を向いたところで


見知った顔に思わずワインが器官に入り、むせてしまった


ゲホゴホとやってるのに向こうも気づいたのか二人組はこちらに目線を向ける。
私は慌てて敬礼を返した。

今はプライベートだぞと苦笑しつつも敬礼を返すボロディン提督

鼻水でてるぞとニヤリと笑いながら同じく敬礼を返すアル・サレム提督

同盟の前線を支える提督だ。特にボロディン提督はウランフ提督と並んで
軍内外にその人ありと知られた勇将である。
本日は作戦本部に艦隊演習行程表を提出した後、ばったりアル殿とお会いしたので
少し飲みに来たとのことだ。

私のようなもやしっ子にとって前線で兵を従え戦う姿には憧れるものがある。
いつか私も良将の末端には加われるようになりたい。


「しかしおふたりは仲がよいんですね。いつ以来の付き合いなのですか」
と、なにげなく思ったことを質問してみる。

ふむ、とボロディン殿は一つうなった後

「確か憲兵をやってたころに変な集会を開いていたアルをしょっ引いて以来かな?」

「おお、そうそう。せっかく発足させたクラブを邪魔しようとする
MPにみえないほど貧弱なボロ殿を返り討ちにして以来でしたな」

うんうんと頷くアルサレム殿

「貴官、余計なことまで覚えているな。またあの時みたいに
憲兵本部での顔はやめて肉体尋問コースがほしいのかね?」

ニヤリと凄みのある笑みを見せるボロ殿

「いやいや、艦隊司令兼現憲兵司令ともあろうお方が
人の手を借りるような貧弱ではありますまい?」

ニヤリと笑い返すアル殿

ふむ、とお互い一つうなずいた後

「「表にでようか」」

見事にハモる。

ではな、と去っていくボロ殿、またな、と去っていくアル殿

意外なところから交友というのは育まれるものなのだな、というか


本当に仲がいいのか?あの二人??


謎の深まる夜だった。

「軍人たちのアフター0」
2.12

私の名はフォーク。同盟の誇る若き英才だ。階級は少将。

デスクワークというのはこれでなかなか大変なものだ。
腰も痛くなるし目も疲れる。
やっとのことで予定の8割ほどを終えることができて

ほっと一息つき

伸びをして背もたれに思いっきり寄りかかり、

視界が天井から背後に変わったところで






ネオフリィダム嬢と目が合った






さて、と。残りの仕事を片付けようか。と、再びモニターに集中しようと

椅子を回転させられ真正面にネオフリィダム嬢が現れる。

飲みに行きましょう♪

と笑顔の中に

断ったらひきづってでも連れて行く

という気迫が感じ取られる。

嬢の背後には既にその気迫に負けたアッテンボローが苦笑しつつ、
やれやれと肩をすくめるジェスチャーをとっている。
ここは職場。
女性とのスキャンダラスな場面を展開してしまうと今後のエリート街道に傷がつくと思い、
いや、正直にいうと後が怖いので結局お供することとなった。

-なじみのBAR-

嬢の前にはヴァン・ローゼ
私とアッテンボロー殿の前に置かれたのはテキーラ100ml。
かんぱーいと軽く飲み干す嬢。腹をくくったらしきアッテンボローが続く。
そして二人の目線はその光景に圧倒され、口をつけてない私のグラスと顔に向けられた。


飲みますよね?


腹をくくりましょう


二人の心の声が聞こえる位の熱視線にこたえる為、一気にあける。

食道を通じて体の中を熱い液体が通る。
満足そうに頷いた嬢は、今日は私のおごりですと続けて注文をする。

どうやらおごりのようだが酒の選択はできないらしい。
そして嬢の前にはスカーレットオハラ、私とアッテンボローの前におかれた飲み物は




テキーラ100ml




かんぱーい。つい2分前と同じ光景が繰り返される。

キュ(と飲み干し)、タン(グラスをテーブルに置くと)、ジロ(飲めよと目線)
リズムよく繰り返される。終わると注文。そして目の前にはまたテキーラ

たしかこれとよく似た飲み方があったような気がする。
ショットガンだったか?
物騒なネーミングセンスそのまま、つぶれるまで飲む
というか潰すのが目的の危険な古来の飲み方だ。
嬢はそんなこと知らないだろうから多分自然とやっているのだろう。

ある意味恐ろしい才能だ。

アッテンボローはこのペースの危険性に気づき、回避を試みようとするが、
そうすると嬢の目線が私からそっちに向くだけ危険度アップという構図に
今にも心折れそうだ。
私ももともと酒が強いわけではない。
たちまち視界に靄がかかる。

もう、この流れを止めることはできないのか

と半ばあきらめかけたその時、

嬢がカウンター席に見知った顔を見つけそっちに向かった。

今だ!今しかない。
と最後の力を込めてその意思を視線に込め、アッテンボローを見やる。




ニゲヨウ




アッテンボローは悲しそうに首を振る。必死に唇を震わせ

アシガ・・・フォーク殿だけでも・・・ニゲ

それだけ言って顔が下を向く。奴は現実に屈したようだ。
最後の言葉に従い自力脱出を試みる。
が、なんとしたことだろう。自分もいつのまにか足が動かない。
自分の体が心を無視する。

うごけ、うごけ、うごけ、うごけ、うごいてよー

心の中で10代の少年のように純粋にただそれだけを思う。
すると、足が言うことをきいてくれた。
よし、これで、と思ったところで



ドコイクンデスカ?ソッチハイリグチデスヨ?



女神は楽しそうに微笑んでいた。敗北。
女神の隣には新しい犠牲者確保済。

アラルコン殿、こうなっては貴官も道連れだ・・・

その後、嬢にナサケナイデスネーと車に押し込められるまで夜は終わらなかった。
二日酔いの次の日仕事をやり残していた私はもちろん上司に怒られた。

出世が遠のく
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by kures | 2006-06-08 23:44